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中学校で習う英文法で、最も難しく、苦手に思っている人がダントツに多いのが「関係代名詞」です。現役で苦手全開な学生さんもいれば、時の流れとともに忘れ、無かったことにしている社会人の方も多いのでは。
しかし、関係代名詞は受験においても、英会話においても欠かすことのできない重要単元です。そのため、英語を学ぶ人であれば、誰しも避けて通ることはできません。
ということで、今回はそんな嫌われ者「関係代名詞」について、基本の基本からわかりやすく解説をしていきます。
「主格とか目的格とか、違いがわからない」
「先行詞って何物?何のためにあるの?」
「基本はなんとなくわかるけど、発展的になるとサッパリ…」
以上のような疑問や悩みがある人には、特に有益な内容となっていますので、ぜひ参考にしてみてください。
これを読めば、あなたも関係代名詞マスター!
関係代名詞とは、接続詞の働きと代名詞の働きを一度に行う、一人二役の語です。詳しくは後で説明しますが、主に who、whom、which、that の4種類が関係代名詞として使われます。
関係代名詞の「関係」とは、2つ以上のものを結び付けるという意味。そのため、関係代名詞があることで、前後の文(節)が繋がります。これが「接続詞」の役割ということ。
続いて、関係代名詞の「代名詞」とは、he や she などのように他の名詞の代わりをすることを指します。
以上のように、関係代名詞は1つの単語であるにも関わらず、同時に2つの役割を果たします。そのため、便利であると同時に、英語初心者にとっては理解が少し難しくなるんです。
それでは、関係代名詞の一人二役っぷりを実際に確認してみましょう。以下の例文を見てください。
この文では、a friend と the friend は同じ人を指していますね。そのため、繰り返しを防ぐため、普通は後ろの the friend を代名詞に換えます。今回はひとまず、その友達が男性だとして he にしてみましょう。
続いて、これら2つの文を1つに繋げます。そのときに必要となるのが接続詞です。
そして、この代名詞 he、接続詞 and の役割を同時に果たすのが、関係代名詞です。そのため、上記の文は以下のように書き換えることができます。
関係代名詞はこのように、本来なら2文に分かれる情報を1文にまとめる働きがあります。そのため、書き言葉で特に多用されますが、話し言葉でも使われる機会が多いので、ぜひマスターしておきましょう。
関係代名詞は、数ある文法事項の中でも、特に苦手としている日本人が多いです。その主な理由は「語順がわかりにくいから」。
日本語の場合、名詞を詳しく説明する際は、「名詞の前」に修飾語をくっつけます。以下の例文の赤線を引いたものが名詞(被修飾語)、緑線を引いたものがその修飾語です。
私は、昨日会社であなたに話しかけた男性を知っています。
その一方、英語では名詞を詳しく説明する際、「短ければ名詞の前」、「長ければ名詞の後」と修飾語の位置が変わります。
たとえば、”a red apple(赤いリンゴ)” のように短ければ red という修飾語はapple という名詞の前に来ますが、関係代名詞を使う場合は長くなるので、名詞の後ろにくっつけます。
赤線(名詞)と緑線(修飾語)の順番を、英語と日本語で見比べてみてください。
このように、関係代名詞を使った文は、日本語の文とは語順が違っていてわかりにくいです。しかし、前後が逆転するということさえ掴んでおけば、決して難しくありません。
この後も多くの例文を紹介するので、それらを見ながら、ぜひ関係代名詞独特の語順をマスターしていきましょう。
関係代名詞の直前に置かれる名詞のことを、特に「先行詞」と呼びます。
たとえば、以下の例文で赤線を引いた単語が、それぞれ先行詞です。
先行詞で着目すべきなのは、それが「人」なのか「人以外(物事)」なのかという点。それによって使われる関係代名詞の種類が変わってくるので、しっかり見分けることが大切です。詳しくは次の見出しで説明していきます。
関係代名詞の基本的な使い方を表にまとめると、以下のようになります。
格 / 先行詞 | 人 | 物事 | 人・物事の両方可 |
主格 | who | which | that |
目的格 | whom [who] | which | that |
とはいえ、これだけ見て理解できれば苦労はありませんよね。
今見て「全くわからない」という人も、この後の説明を読めば、これらの違いがスッキリ理解できるはずです。
それでは、1つずつ詳しく確認していきましょう。
先述の通り、関係代名詞の役割の半分は「代名詞」です。その際、主語なのか目的語なのか、どっちの役割をしているかによって「主格」と「目的格」という違いが存在します。
発展的な役割として「所有格」もありますが、これは後で改めて説明します。ひとまずは「主格」と「目的格」の2つが理解できればOKです。
では、まず主語の役割をする「主格」の関係代名詞から確認していきましょう。
この文に含まれる who が関係代名詞で、主格の役割を果たしています。
見分けるポイントは、who が主語の代わりをしているため、直後の文(節)の中に本来あるはずの主語が無くなっている点です。who 以下の部分を改めて見てみましょう。
helped me yesterday.
helped(V)、me(O)と文の要素がありますが、主語(S)に相当するものが欠けているのがわかりますよね。
このように、主格の関係代名詞が使われる場合は、直後の主語(S)となるべき名詞が無くなっている点が目印になります。
主語(S)や目的語(O)など、文の要素について詳しくはこちらの記事で解説しています。
続いて、目的語の役割をする「目的格」の関係代名詞について確認しましょう。
この文に含まれる which が関係代名詞で、目的格の役割を果たしています。
見分けるポイントは、which が目的語の代わりになっているため、直後の文(節)から、本来あるはずの目的語が抜けている点です。which から後をもう一度詳しく見てみましょう。
my mother bought yesterday.
my mother(S)、bought(V)と来て、bought は他動詞であることから、普通なら「〇〇を買った」という意味の目的語(O)が来るはずです。
このように、目的格の関係代名詞が使われる際は、直後の目的語(O)となるべき名詞が欠けている点が目印になります。
他動詞と自動詞の意味、それぞれの違いについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
また、目的格の関係代名詞は省略することができます。特に会話の際は、目的格の関係代名詞は省略されることの方が多い傾向にあります。
先ほどの例文を、省略を使って改めて表すと、以下のようになります。
繰り返しになりますが、関係代名詞の直前に置かれる名詞のことを「先行詞」と呼びます。そして、先行詞が「人」である場合は、主格だと who、目的格だと whom が使われます。
この文では、the girl という「人」を先行詞としており、直後の S が足りないことから、主格の who が使われています。
先ほどとほとんど同じ意味ですが、違いがわかりますか?
the girl を先行詞にしている点では同じですが、今度は直後の O(withの後に来る単語)が欠けています。そのため、ここでは目的格の whom が使われています。
このように、先行詞が人の場合は、主格だと who、目的格だと whom を使うのが本来の用法です。しかし、現代ではそのような使い分けが薄れ、どちらの場合も who で表すことが増えてきました。
特に会話の場合は、9割以上の人が who しか使いません。ただ、書き言葉では依然 whom がよく出てくるので、ぜひ知識として押さえておきましょう。
先行詞が人以外、つまり「物事」である場合は which という関係代名詞が使われます。
人の場合は who、whom と使い分けましたが、物事の場合は主格・目的格いずれの場合も which でOKです。使い分けを気にする必要が無いので、少し気持ちが楽になりますね。
この文では a house という「物」を先行詞としており、直後の S に相当する単語が無いことから、which が主格の関係代名詞であることがわかります。
この文では the title という「事」を先行詞としており、直後の gave に目的語(O)が欠けていることから、which が目的格の関係代名詞だと判明します。
ちなみに、このように関係代名詞は文の前半に付くこともあります。最初は語順に面食らうと思いますが、少しずつ慣れていきましょう。
以上のように、先行詞が「人」の場合は who か whom を、先行詞が「物事」の場合は which を使います。しかし、先行詞が人と物事のどちらでも使える関係代名詞として that も存在します。
そのため、今までの文は以下のように、全て that で書き換えることが可能です。
「先行詞を気にしなくて済むなら、全部 that で良いのでは?」と思いますよね。
実際、最近では who [whom]、which の使用数が減り、that で済ませられることが増えています。
しかし、文によっては that だと意味が取りにくいものもあるので、なるべくなら who や which を使い、特別な場合には that を使うというふうに、それぞれをバランス良く使うことが大切です。
たとえばこの例文だと、that という関係代名詞の先行詞が the man and the dog なのか、the dog だけなのかわかりにくいですよね。前者の場合、「彼の周りを走り回っている男性と犬」という、なかなかシュールな光景を意味することになってしまいます。
そのような誤解を防ぐためには、which を使って以下のように表す方が適切でしょう。
少し発展的ですが、関係代名詞 that しか使えないケースもあるので、注意が必要です。
そのうちの1つが先述の「先行詞が人+物事」の場合ですが、それ以外に「先行詞が限定されている」「疑問詞の who、which が使われている」という2パターンが存在します。
先行詞が人だったら who [whom]、物事だったら which をそれぞれ使うため、先行詞が人と物事の両方を含んでいる場合は、折衷案として関係代名詞 that を使います。
この点を踏まえると、先ほど挙げた以下の例文は、シュールな意味の方が正解ということになりますね。
先行詞が the first(最初の)、the best(最良の)、the very(まさにその)、the all(全ての)などと限定されている場合は、関係代名詞は who や which でなく that を使わなければなりません。
who にしろ which にしろ、もともとは「誰」「どれ(どっち)」という意味なので、最初から1つや全てと限定されたものとは相性が悪いのでしょうね。
同じ文中に疑問詞で「誰」を表す who、または「どれ(どっち)」を表す which が使われている場合は、紛らわしいので関係代名詞は that を使って表します。
同じ文中に、見た目は同じなのに意味が違う単語があったらややこしいですよね。
最後に、発展的な関係代名詞の用法について紹介します。
とはいえ、重要なのはあくまで、ここまで見てきた主格と目的格の用法です。そのため、ここまでの理解が怪しい場合は、以下は読み飛ばしてもらっても構いません。
主格・目的格がある程度しっかり飲み込めた人は、以下を読んで更に理解を深めていきましょう。
「〇〇の△△」と、先行詞の所有する物事(人)を表す際は、関係代名詞 whose が使われます。
ここで重要なのは、先行詞が人だろうと物事だろうと、どちらの場合も whose が使われるということ。先行詞が物事だからといって whiches のような存在しない単語を使わないようにしましょう。
「~(という)こと」などと先行詞が漠然としている場合は、先行詞を含んだ関係代名詞である what が使われます。
what を敢えて言い換えると “the thing which ~” と同じ意味。先行詞を内に含んでいるので、the thing what ~ などと先行詞を付けてしまうと誤りになってしまいます。
目的格の関係代名詞 whom、which を使う際、以下のように、直後の文(節)の最後が前置詞になってしまうことがあります。
前置詞は本来、後ろに名詞を伴う単語であるため、このような状態は気持ちが悪いですよね。そのため、前置詞を関係代名詞と一緒に前に出し、「前置詞+関係代名詞」の形になることがあります。
この場合、「前置詞+whom」「前置詞+which」はOKですが、「前置詞+that」「前置詞+who」はNGです。that は本来の関係代名詞でないこと、who は目的格としては本来使えないこと、これらが原因として考えられます。
序盤で説明した通り、関係代名詞は名詞(先行詞)の後ろに付けて、その名詞を詳しく説明します。
たとえば、この文では、which 以下は document を修飾しているため「真剣に読んだ⇒取り出した」という時系列になります。
しかし、間に一拍置いて(カンマを入れて)表すと、関係代名詞 which は document の意味を限定せず、「取り出した⇒真剣に読んだ」という時系列になります。
このように関係代名詞の前にカンマを置く用法は、先行詞の意味を限定しないため、「関係代名詞の非制限用法」と言います。
しかし、非制限用法は表す意味が複雑かつ幅広いので、それほど気にしなくてOKです。
おそらくそれほど需要が多くないと思うので、ここでは深掘りせずにおきます。もしリクエストがあれば、コメントやお問い合わせフォームからお知らせください。
今回は関係代名詞について詳しく確認してきました。最後の確認として、中盤で出した表を再掲します。
格 / 先行詞 | 人 | 物事 | 人・物事の両方可 |
主格 | who | which | that |
目的格 | whom [who] | which | that |
いかがでしょうか。今見ると、ここに書かれている意味が理解できるのではないでしょうか。
関係代名詞の役割は「代名詞+接続詞」であり、基本的には主格と目的格で使われます。その使い勝手の良さから、所有格や非制限用法など発展的な用法も多々ありますが、上記表の内容が掴めていれば、ひとまずは問題ありません。無理のない範囲で、少しずつ理解を深めていきましょう。
それでは、これからも楽しい英語学習を。
Let’s enjoy!!