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この記事では、苦手に思っている人の多い must と have to について、それぞれの意味や基本イメージ、両者の違いについて詳しく確認していきます。
「must と have to ってどんな意味?」
「must と have to って何が違うの?」
「must と have to の基本イメージが知りたい!」
以上のような疑問・悩みがある人は、この記事がお役に立てるはずです。
それでは、早速確認していきましょう!
must は「~しなければならない」という意味の助動詞です。しかし、文脈によっては「~に違いない」と訳されることもあり、一体何が違うのかわからない人も多いのでは。
そんな must の基本イメージは「100%絶対」です。このイメージさえ理解できていれば、「~しなければならない」なのか「~に違いない」なのかという訳し分けは、自然と後から付いてきます。
意味①:「~しなければならない」
意味②:「~にちがいない」
意味①と②に共通する基本イメージ:「100%絶対」
それでは、must の2つの意味について、実際の例文を交えて詳しく確認していきましょう。
この例文の意味を、あえて must の基本イメージに従って日本語に訳すと「私はこの部屋を100%絶対掃除する」という意味になります。そうすると、自然と「掃除しなければならない」という意味が浮かんできますよね。
ちなみに、このように “I must ~” と言うぶんには、自分の強い気持ちを表明するだけなので問題ありませんが、 “You must ~” と言う際は注意が必要。基本イメージに従って訳すと「あなたは100%絶対~だ」と言い切っている印象になるのがわかるかと思います。
このように、”You must ~” は、相手に強い強制感を与える表現です。ちょっとやそっとのことでは使わないようにしましょう。
I must ~ ⇒自分の強い意志の表明
You must ~ ⇒相手への強い強制(使いどころに注意!)
must の基本イメージに従って訳すと、この例文の意味は「彼は100%絶対親切だ」となります。何を根拠にしているかはわかりませんが、話し手が「親切にちがいない」と断言していることがわかりますね。
ちなみに、助動詞には「直後の動詞が原形になる」という共通のルールがあります。そのため、be動詞である “am、is、are” が助動詞 must の後で使われるときは、このように原形の “be” に形が変わるので注意しましょう。
また、「~にちがいない」という意味になるのは、ほとんどの場合 “must be” の形です。そのため、「must be =~にちがいない」とまとめて覚えてしまってもOKです。
単なる丸暗記は良くないですが、理由も含めて覚えるぶんには有益です。ぜひ活用してください。
must be ⇒「~にちがいない」
have to の意味は must と同様「~しなければならない」とするのが一般的。しかし、後で説明する両者の違いを踏まえると、「~する必要がある」と覚えておく方が便利です。
また、have to は厳密に言うと助動詞ではなく、「準助動詞」と呼ばれる存在です。準助動詞とは簡単に言うと「動詞などを組み合わせて助動詞と同じ働きをするもの」のこと。たしかに、動詞の have と 前置詞らしき to が組み合わされていますよね。
have を用いた文法事項「現在完了形」については、こちらの記事で詳しく解説しています。
have to の to は、不定詞(to do)の一部です。不定詞には「~すること」という意味がありますが、そのまま「~することを持っている」というのが、have の本来の意味となります。
つまり、have の基本イメージは「するべきことを持っている」とまとめられます。「するべきことがあるんだから、しなきゃいけないよね」という流れですね。
そのため、have to には「~にちがいない」という意味はありません。一見同じ意味の must と have to ですが、だんだん違いが浮き彫りになってきましたね。
意味:「~しなければならない(~する必要がある)」
基本イメージ:「するべきことを持っている」
例文でも使い方を確認しておきましょう。
基本イメージに即して訳すと「東京を去る(べき)ことを持っている」という意味。何かしらの事情がある様子がイメージできますね。
have to に含まれている「不定詞」については、こちらの記事で詳しく解説しています。
have to の have はもともと動詞なので、三単現のsの影響を受けて has to になります。
三単現のsとは、簡単に言うと「主語が三人称・単数で現在形のとき、一般動詞にsが付く」という法則のこと。三人称単数とは、私とあなた以外の1人(1つ)という意味です。
この文では、主語が He(彼、私でもあなたでもない1人)なので、have to ではなく has to になっています。
must と have toは概ね同じ意味で使えますが、明確な違いもあるので注意が必要です。違いを知らずに使うと、大きな誤解を招いてしまったり、文法的に誤ったことを発言したりしかねません。
must と have to の違いは、主に以下の3点です。1つずつ詳しく確認していきましょう。
must と have to 最大の違いは、主観的か客観的かという点です。
主観的というのは、その人(話者)の判断という意味。たとえば、「リンゴが好き」というのは、その人に限った好みの話なので、主観的な判断です。中にはリンゴが嫌いな人だっていますよね。
助動詞 must は、主観的な判断としての「~しなければならない」を表します。以下の例文を見てください。
この例文では must が使われているので、「(他の人がどう思っているか知らないけど)私はこう思う」という話者の気持ちが込められています。おそらく日本の現状に個人的なもどかしさを感じているんでしょうね。
その一方、客観的というのは誰から見ても同じようになる判断という意味。たとえば、「リンゴは赤い」というのは、誰から見ても明らかなので、客観的な判断です。
準助動詞 have to は、客観的な判断としての「~しなければならない」を表します。
しかし、日本語の「~しなければならない」は少し主観的な響きのある表現なので、できれば「~する必要がある」と言った方がイメージは近いです。
この例文では has to(have to)が使われているので、「(誰が見ても明らかな通り)私はこう思う」という客観的な意見が表明されています。おそらく調査などが行われ、日本が世界に取り残されているデータがあるんでしょう。
must ⇒主観的(自分だけの判断・意見)
have to ⇒客観的(誰から見ても同じ判断・意見)
must と have to は、否定文にすると大きく意味が異なります。
must の否定形 must not(mustn’t)は、「100%絶対ダメ」というイメージから「~してはいけない」という禁止を表します。
その一方、have to の否定形 do not have to(don’t have to)は、「するべきことを持っていない」というイメージから「~する必要はない(しなくて良い)」という譲歩を表します。
このように、must と have to の意味は似ている一方、否定形の must not と don’t have to は全く異なる意味になります。
両者を混同してしまうと、ヘンテコな意味の文が出来上がるので注意が必要です。試しに、上記2つの例文の must not と don’t have to を入れ替えてみてください。途端に意味不明な文ができあがるでしょう。
must not(mustn’t)⇒「~してはいけない」【禁止】
don’t have to ⇒「~する必要はない(~しなくて良い)」【譲歩】
must は過去形にできません。その一方、have to は過去形である had to にすることができます。
そのため、過去の出来事について描写するときは、had to を使わざるを得ません。
この例文では、帰らなければいけない理由が主観的か客観的かはわかりません。しかし、must に過去形が存在しない以上、どちらの場合も had to で表現することになります。
ちなみに、口語では過去のことであっても must で表すことがあります。文法的には正しいとは言えませんが、充分通じるので、まずは細かいことを気にせず、どんどん発話するようにしましょう。
must の過去形⇒不可
have to の過去形⇒可(had to)
今回は助動詞 must と準助動詞 have to について、それぞれの意味や基本イメージ、違いなどについて詳しく確認しました。
must は「100%絶対」、have to は「するべきことを持っている」というのが基本イメージです。意味や使い分けの根底にはこのイメージがあるので、ぜひ覚えておきましょう。
それでは、これからも楽しい英語学習を。
Let’s enjoy!!