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ひとくちに英語の疑問文といっても、いろいろな語順のルールがあって混乱してしまいますよね。しかし、一見まったく異なるように見える疑問文のルールも、実は同じ考え方の応用に過ぎないんです。
この記事では、動詞や助動詞によって異なる疑問文のルールについて、基本の基本から、わかりやすく解説していきます。
また、ちょっと発展的な間接疑問文や付加疑問文についても説明するので、これを読めば英語の疑問文を完璧にマスターすることができますよ。
それでは、早速始めていきましょう!
そもそも疑問文とは、相手に何かを尋ねるために使う文です。疑問文を使うからには、相手からの返答が無いと意味がありません。
その結果、疑問文は普通の文より目立たせるために、何らかの「強調」を施す必要があります。
日本語と英語はもともと語順や文法が大きく異なる言語なので、強調の仕方もそれぞれに違っています。詳しく確認していきましょう。
日本語では、文末に「か」を付けて、語尾を上げることで疑問文になります。この「か」は強調の助詞で、語尾を上げることと合わせて「疑問文だよ!」と強調していることになります。古文で習った「ぞ・なむ・や・か・こそ」の仲間です。
それに対して英語の場合は、文の語順を倒置させて語尾を上げると疑問文になります。倒置とは、語順をひっくり返すという意味です。
つまり、日本語の「か」と同じ役割を持っているのが、英語における倒置ということです。
証拠として、以下の肯定文と疑問文を見比べてみてください。文末に?が付いているだけでなく、語順のどこかが倒置されていることに気づくはずです。
肯定文:You are happy.
疑問文:Are you happy?
肯定文:He can play soccer.
疑問文:Can he play soccer?
肯定文:She has finished her homework.
疑問文:Has she finished her homework?
ただし、英文に使われている動詞や助動詞の種類によって、何を倒置させるべきかが変わってきます。英語の疑問形をマスターするためには、それらの違いを理解しておくことが大切です。
では、次の見出しから順に確認していきましょう。
be動詞の疑問文は、「疑問文=倒置」という基本に最も忠実な形です。
その他の疑問文を考える際の基本形になるので、しっかりマスターしておきましょう。
be動詞が使われている文は、疑問形にする際、be動詞を主語の前に持ってきます。
たとえば、以下の例文を見てください。
この文には are という be動詞が含まれているため、疑問文にする際は主語である you の前に are を倒置し、以下のような文になります。
ちなみに、be動詞には現在形 am, is, are と、過去形 was, were の5種類がありますが、どれも同じように倒置することができます。
また、be動詞+~ing の「現在進行形」、be動詞+過去分詞の「受動態(受け身)」の文でも、同じルールで疑問文を作成することができます。
少し発展的ですが、be動詞の原形である “be”、過去分詞形である “been” は、疑問文でも倒置されません。詳しくは後述する「助動詞の疑問文」「現在完了の疑問文」をご確認ください。
be動詞の疑問文には、Yes か No で答えることができます。
会話では Yes / No だけでも通じますが、”Yes [No], 主語+be動詞(+not)” の形で答えるのが正式です。
No, I am not. と言っても問題ないですが、I’m not と短縮する方が自然です。以下のものについても、同じ理由から短縮形で表記しています。
疑問文で this book などと普通名詞や固有名詞が使われている場合は、it などの代名詞に置き換えて答えます。
一般動詞とは、play や study など、be動詞以外の動詞のことです。
一般動詞が使われた文を疑問文にする際は、be動詞の場合とルールが異なるので注意しましょう。
一般動詞の疑問文を作る際は、do, does, did を主語の前に付けます。
それぞれの違いは、基本形が do、do に三単現のsが付いたものが does、do に過去形の ed が付いたものが did です。
そのため、3つの使い分けは以下のように考えると良いでしょう。
- do:一般動詞の文(通常)
- does:主語が三人称単数で現在形(三単現)の一般動詞の文
- did:過去形の一般動詞の文
それぞれの例文を確認しておきましょう。
なお、do, does, did を使う際は、後ろの一般動詞は必ず原形になります。特に does と did を使う際はよく注意してください。
以下はそれぞれの誤った例です。
最初にお話しした通り、疑問文の基本は倒置することにありますが、一般動詞の文では一見倒置が起こっていないように見えます。
これは何故かというと、「倒置すると意味がわかりにくくなってしまうから」です。
たとえば、”You eat an apple.” という文を倒置させてみると、以下のような文になります。
*Eat you an apple?
一般動詞の eat を主語の前に倒置させると、「あなたを食べる」という意味に誤読してしまいそうですよね。
このように、一般動詞は語順を倒置させると意味がわかりにくくなってしまいます。そのため、一般動詞の疑問文では、影武者として do(does, did)を使い、それを代わりに倒置させることになったんです。
You eat an apple.
⇒You do eat an apple.
⇒Do you eat an apple?
ここからわかるのは、一見倒置していないように見える一般動詞の疑問文も、実は影武者 do が倒置しているということ。やはり「疑問文=倒置」という点は変わりません。
ちなみに、do には「強調」の働きがあるので、日本語の「か」という助詞と通ずるものがあります。まったく別の言語ながら、このような共通点があるのは面白いですね。
一般動詞の疑問文も、Yes や No で答えることができます。正しい答え方は “Yes [No], 主語+ do [does, did](+not)” です。
do で聞かれたら do で、did で聞かれたら did でといった感じで、疑問文と同じものを使って返すのがポイントです。
助動詞とは、can や will など、動詞に意味を付け加える働きをするものです。
助動詞の疑問文でも、基本はやはり「倒置」にあります。詳しく確認していきましょう。
助動詞が使われた文を疑問文にする際は、助動詞を主語の前に倒置します。助動詞以外の語順はそのままなので、慣れてしまえば非常に簡単です。
なお、助動詞には「直後の動詞を原形にする」というルールがありますが、これは疑問文の場合も健在です。誤って三単現のsを付けたり過去形にしたりしないように注意しましょう。
助動詞の疑問文も、Yes か No で答えることができます。正しい答え方は ”Yes [No], 主語+助動詞(+not)” の形です。
基本的には can で聞かれたら can で返すなど、疑問文で使われる助動詞と同じもので返すと考えればOKです。
must の否定形は「~してはいけない」と禁止を表すので、例外的に don’t have to(~しなくてよい)を使って答えます。
must と have to の違いについては、以下の記事で詳しく解説しています。
現在完了形とは、「have+過去分詞」を使って継続・経験・完了の3つの意味を表す、英語独特の時制です。
現在完了形の疑問文の場合も、ポイントはやはり「倒置」です。以下で詳しく確認していきましょう。
現在完了形についての理解が曖昧な人は、以下の記事をぜひご参照ください。
現在完了形の文を疑問文にする際は、have を主語の前に倒置します。
現在完了形は「have+過去分詞」の形なので、have が助動詞に似た働きをします。そのため、先述の助動詞の疑問文の作り方と同様に、have が主語の前に倒置するという理屈になります。
なお、三単現の場合の has、過去完了で使われる had の場合も同じルールで疑問文を作ることが可能です。
現在完了形の疑問文も、Yes か No で答えられます。基本形は “Yes [No], 主語+have(+not)” です。
have はもともと助動詞ですが、現在完了では助動詞のように扱われるため、not が付く際は haven’t [hasn’t, hadn’t] と、独特な短縮形になります。
疑問詞とは、what(何)や where(どこ)など、わからないものを表す言葉です。よく5W1Hという呼ばれ方をしますが、正確には8W1Hの9種類が存在します。
その名前の通り、疑問詞は疑問文とセットでよく使われるため、疑問文の作り方をマスターするためには、避けて通ることができません。詳しいルールを以下で確認していきましょう。
疑問詞は、必ず疑問文の最初(文頭)に来ます。be動詞やdo、助動詞などが倒置されていても、それより前に疑問詞を置きます。
なぜ疑問詞を文頭に置くかというと、それが最も聞きたいことだからです。物や場所などは本来、文中に置かれるので、これも一種の倒置だと考えることができます。
以下の例文では、肯定文中のわからないこと(緑線)が、疑問文では疑問詞として文頭に倒置されています。
疑問詞を使った疑問文に対しては、Yes や No で答えることができません。疑問詞の表す内容に応じて、適切な回答をする必要があります。
答える際の基本形は “主語+動詞+疑問詞への答え” です。ただし、why で聞かれた際は Because や To do を使って、行動の理由を答える必要があります。
それぞれの疑問詞の意味の違いなどが曖昧な人は、以下の記事をぜひ参考にしてください。
間接疑問文とは、疑問詞を使った疑問文を他の文の中に埋め込んだものです。
ここまで説明してきた疑問文がすべて、疑問を直接相手に聞いているのに対して、間接疑問文はそれを間接的に表現します。
語順が独特で慣れないと難しいので、この機会にぜひマスターしておきましょう。
間接疑問文を作る際は、疑問詞の付いた疑問文を肯定文(普通の文)の語順にします。
たとえば、以下の例文を見てください。
2つ目の文に含まれる that が表すのは、1つ目の文の内容です。that の部分に “What do you want?” という疑問文を埋め込んで間接疑問文を作ると、以下のようになります。
このように、間接疑問文は全体が疑問文になっているとは限らないため、疑問詞以下の語順が肯定文の語順になります。慣れないうちは語順がややこしいと思うので、もう少し例文を見て練習しておきましょう。
この文では、全体が疑問文になっているため 「?」 が付いています。間接疑問文だからといって必ず「?」が付くわけではない点には注意が必要です。
間接疑問文といっても、上述のように全体が疑問文になっていないものもあり、そのような間接疑問文には答えることができません。
その一方、全体が “Do you ~?” などの疑問文になっていれば、通常通り Yes や No で答えることが可能です。なお、Yes [No] だけで情報が不十分な場合は、その後に具体的な内容を答えてあげましょう。
否定疑問文とは「~ではないですか?」と、否定の形で疑問を表す文のことです。
ここまで見てきたように、あくまで基本は肯定形の疑問文ですが、否定疑問文も日常会話ではしばしば使われます。
否定疑問文は、疑問文の中に not を入れるだけで作ることができます。
ただし、not の付け方は使われる動詞や助動詞によって異なるので注意してください。たとえば、be動詞であれば「be動詞+not」、一般動詞であれば「do+not」という形です。
また、否定疑問文は会話(口語)で使われる表現なので、not は isn’t や don’t などと短縮表記されるのが一般的です。
否定疑問文の答え方は、普通の疑問文とまったく同じです。Yes か No で答えることができます。
注意してほしいのは、「はい、しません」「いいえ、します」といったミックス型の答え方をしてはいけないという点です。
日本語では上記のようなミックスが可能ですが、英語では Yes の後は肯定形、No の後は否定形と決まっています。”Yes, I don’t.” などと回答してしまうと、相手が混乱してしまうので気をつけましょう。
付加疑問文とは、「~ですよね?」と相手に確認を求める際に使う疑問文のことです。
他の疑問文とは作り方のルールが異なるので、以下で詳しく確認していきましょう。
付加疑問文は、文末に主文とは反対の疑問形を付けて表します。主文が肯定文なら、反対の否定形の疑問文を付け、主文が否定文なら、反対の肯定形の疑問文を付けます。
論より証拠として、以下の例文を見て理屈を確認していきましょう。
主文がbe動詞の肯定文なので、isn’t it? という否定形の付加疑問文が付いています。
主文が一般動詞の肯定文で三単現のsが付いているので、doesn’t she? という否定形の付加疑問文が付いています。なお、主語が普通名詞や固有名詞の場合は、このように代名詞に置き換えるのを忘れずに。
主文が助動詞の否定文なので、should we? という肯定形の付加疑問文が付いています。
付加疑問文に答える際は、普通の疑問文と同じように考えてOKです。be動詞・一般動詞・助動詞などに合わせて適切な答え方をしましょう。
なお、否定疑問文のところで言ったことの繰り返しになりますが、「はい、しません」「いいえ、します」といったミックス型の回答はNGです。Yes には肯定文を、No には否定文を続けるというルールを徹底するようにしましょう。
今回は疑問文の作り方について詳しく確認してきました。
英語の疑問文の基本は「倒置」ですが、具体的な倒置の仕方は、どのような動詞や助動詞が使われるかによって異なります。
疑問文は英語でのコミュニケーションに必須なので、今回の内容を参考に、ぜひマスターしていきましょう。
それでは、これからも楽しい英語学習を。
Let’s enjoy!!